響け!月夜のアジタート

「ケッティング!」

レオンハルトが呪文を唱えると、杖の先から光り輝くロープが出ていく。ロープはアントーニョとオルハンをそれぞれ縛り上げた。

「二人とも、他の方々の迷惑になることは考えたのかい?」

レオンハルトが淡々と訊ねると、アントーニョとオルハンは目を逸らして俯く。小さく「すまねぇ」と「ごめんね」と声がしたのでレオンハルトは魔法を解いて二人を自由にした。

「次の列車に遅れちゃうわ!」

マーガレットが駅にある時計を見て言う。レオンハルトはシルクハットを被り直し、「急ごう」と言った。アントーニョとオルハン、そしてカナタが走り出す。マーガレットも走り出そうとした。その手をレオンハルトは掴む。

「レオン?」

「メグ。君の荷物は私が持とう。重いだろう?」

「あ、ありがと!」

マーガレットの荷物を手にレオンハルトは走る。なんとか時間ギリギリで列車に間に合った。ホッと全員胸を撫で下ろす。

「遅れそうになったのはお前のせいだからな!!」

「人のせいにするのかい?これだからガキは……」