「それで?」
そのあと。
改めて私たちは席に座り、みどりさんと向かいあった。
あのときなぜあの場所にいて、何者なのか。それを聞かなきゃいけないようだ。
「……詳しくは言えない」
みどりさんは、無表情のまま呟くように言った。
まあ、あんな辺鄙な場所にいる時点で裏がありそうだよね。最初から聞き出せるとは思っていない。
それは尊都さんや黒葉さんも同じのようで、動じることなく続きの言葉を待つ。
「だが、俺は刹菜の味方だ。……それだけは明言しておく」
「え……?」
また私の名前が出てきて、今度こそ私は動揺した。
なんでまた私の名前なんかが出てくるんだろう。
私、あのときみどりさんになにかしてあげたっけ……?
「…………」
やっぱり気になるな、みどりさん。
さっき咎められたばっかりだからこれ以上見つめることはしないけど、その代わりに記憶を遡ってみよう。
もしかしたら昔、会ったことがあるのかも……?
でも、みどりなんて名前は見たことも聞いたこともない。
「俺は女の子の味方だから☆」とか言う人にも見えないし。そういうテンションじゃないし。
なんで私なんだろう……。うーん、今のところは何も思い当たらないな。
黙りこくった私を見つつ、もう今はこれ以上何も進展がなさそうだと判断したらしい尊都さんは、みどりさんにもう一度向き直る。
「……まあいいか。でもまだ話してもらわなきゃいけないことはいっぱいあるから、しばらくこの家にいてくれる?」
「はあ、わかりました」
みどりさんは動揺することなく頷いた。
尊都さんの容赦無く冷たい眼差しを受けても動じないその胆力に根性。
なんか私と同じような匂いがするな。死んだ目をしているけれど、死んだ目になると逆に鋼メンタルになるのかな。
などと思いつつ、私は一度その場から離れることにしたのだった。



