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『天才だ……』
『なんということだ。こんな神童が本当に、人間として生まれるものなのか……』
――つまらない。
ああ、どいつもこいつも退屈だ。俺の予想の範疇、想像から出ない単純な人間ばかり。
ひたすら俺を天才だ神童だ、ひどいやつは神だとか騒ぎ立てて、俺に縋るばかりだ。
『尊都様、ぜひ私に救済を……!あの小汚いタヌキどもを出し抜く一手を!』
『尊都様!お初にお目にかかります、私、この街の議会で大きな発言力を持っておりまして……』
くだらない。
俺に縋り続ける目障りな存在を、なんで俺が助けなければならないんだ。
そう、いつもそう。この街の人間に呆れて、嫌になる。
それでも俺が、今も「この地位」で「使命」を果たし続けるのは――
『なあ尊都。いつか、お前が使命をまっとうしていてよかったと、そう思える日が来る』
すべての始まりは、父親の言葉。
『お前がこの街を生かし続けた暁に、お前の前に現れるんだ。お前の予想のすべてを、裏切る存在が』
最初はそれこそ、「暇つぶし」だった。
正直父親の言葉は半信半疑だったが、それでも大切な父親の言葉だ。
この際、それを守り続けるのも一興かと、最初はそれだけだった。
だけど黒葉と出会い、そして刹菜と出会い。
『お前は絶対に、この街を愛すだろうよ』
感じていた。
俺は、この2人を育んだこの街を、心から冷たく見下ろすことができなくなっていると。
俺は完全に、自分の「使命」を果たす理由を、見つけてしまったのだ。
『だから、守ってくれ。この街を――お前の手で』
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