「刹菜様!」
尊都さんが運転する車で家まで帰ってくると、玄関で不安そうに立っていた運転手さんが心底ほっとした様子で駆け寄ってきた。
「ご無事でなによりです。気づくのが遅くなって申し訳ありませんでした……!」
「いえいえいえ!とんでもありません。いつもありがとうございます」
運転手さんは申し訳なさそうにしているけど、本当に気にしないでほしい。
今回、ほんっとに運転手さんは悪くないから。
必死に謝る運転手さんに必死にそう言い募ると、しばらくして、ようやく彼は顔を上げてくれた。
「……おかえりなさいませ、刹菜様」
「ただいま、帰りました!」
そのあとすぐに私はお風呂に入って部屋に戻った。
相変わらず豪華なお風呂に感嘆しながら遠慮なくゆっくり堪能させてもらったよ。気持ちよかった。
そして部屋に戻った直後にコンコン、とドアがノックされた。
「はい?」
「俺と黒葉。入っていい?」
「あ、どうぞ」
尊都さんと、それから黒葉さんもいるらしい。
私は黒葉さんがいることに驚きつつも、部屋着姿で2人を迎え入れる。
「髪がまだ乾き切っていないんですが、いいですか?」
「大丈夫。今日のことについて、ちょっと聞きたいことがあるんだ」
「なるほど」
そういえば、事件について調べてるって尊都さんが話してたとき、「俺たち」って言ってたな。
黒葉さんも一緒に調べてるのかも。
そう予測し、私は広々とした対面ソファの席に座った。
「それで、聞きたいこととは?」
「それがな、いろいろあってよ……悪いけど、しばらく付き合ってくれ」
黒葉さんは、申し訳なさそうに苦笑いしてから、真剣な表情で改まって、私を見た。
やっぱり黒葉さんも一緒に調べてるんだなあ。悪友って言ってたけど、仕事仲間でもあるのかも。



