家に帰ったら部屋着に着替えて、宿題をして。



そうやって過ごしていても、バイトがない日常はとってもゆったりだ。




「んー……!ゆっくりワークできるの最高!」




毎年、年度はじめは肝が冷える。



教科書にワークに参考書、暗記帳など、各種教材を購入する嵐。



絶対買わなきゃいけないやつ多くて、その時期はバイトのシフトを倍に増やしたりしてたなあ。



その割に私は毎回ワークをやる時間がなくて、テスト前は睡眠時間を削って夜な夜な問題解いてたっけ。



日中勉強できるのってこんなに楽なんだ。知らなかった。



伸びをしながら何度目かもわからない感謝を捧げ、そういえば今何時だろう、と私は白色の電波時計を見上げる。




「……もう6時か」




昨日尊都さんは4時に帰ってきてたけど、今日はもう帰ってるのかな?



でもいつもは遅いって言ってたし、今日からは今度こそ遅いのかも。



それならもう今日の分の勉強はやり尽くしちゃったし、本棚に詰まっている本でも読もうか。



広々な部屋で、私はこれでもかとお金持ちのペット生活を悠々自適に過ごした。