突然のことで、驚いてしまうのは当然だと思う。
ここは人間主義国のカント国だ。
能力者の孤児院は、排除対象となり見つかれば処刑されるほどだ。
まさか、この人がそれを知らないわけはない。
だから私は、あっさりと告白したことに驚いているのだ。
「表向きはただのカフェ。裏では孤児院と、その生活を支えるために情報屋をやってるのさ」
ニカッと笑うエミカさんに、私は恐る恐る聞いた。
「あ、あの…私たちにそんなこと言ってよかったんですか?」
私の質問にきょとんとするエミカさん。
そんな彼女の代わりに、ソラが答えてくれた。
「ヒメアは別にこのことを口外しないだろ?それに、みんなも。あー、ていうか、エミカさんは知ってると思ってるでしょ」
「そうそう!あたしてっきり、ここにくるものだから知ってるんだとばかり!」
あ、そういうことか。
エミカさんは、ここを能力者の孤児院だって私たちが知ってると思ってたんだ。
それなら、さっきあっさり言ったのも納得がいく。
「そういえば、先ほど情報屋とおっしゃいましたね。具体的になにをしているのですか?」
「あ、その質問には俺がお答えるよ」
クラの質問に答えると言ったのは、スイだった。
「ここはね、実は裏に通じる門になってるんだよ。ちょっと危険だけど、そうするとひとつの依頼で大金が稼げるんだ。ここに俺たちが寄ったのも、それが理由。ここの情報をもらうため」
少し悪い顔で笑ったスイに、私は頷いた。
言いたいことはわかった。
ここでカナタたちの情報を引き出そうとしてるんだ。
信頼できる、唯一の情報屋だから。
「俺たちが動き回るには、まずは情報が必要だ。その後は、さっき言った通り観光をしよう。ね?ヒメア」
ニコッと笑ったソラに、私は頷いた。
それから、エミカさんが話を切り出す。
「じゃあ、これからは情報屋として話させてもらうよ。依頼内容は、数日前に来た手紙の情報だね?」
「うん」
いつも間にそんな手紙を出していたんだろう、と私は不思議に思った。
そんな私の心を読んだように、ソラが教えてくれた。
「ヒメアとイコロ国を出発する日に、事前に集めてほしい情報をピックアップして送っておいたんだ」
準備が良すぎて、びっくりしちゃうな。
本当に頼りになる。
「じゃあ、今から情報を渡すよ」
そう言って、エミカさんはテーブルの引き出しから何枚か紙を出した。
「まずはアヤカ・ニックスとユウセイ・ニックスについてだね。ふたりはイコロ国とカント国の国境にある、グランデ村で育ったそうだね。でも、グランデ村は10年前に王国騎士団に潰されちまった。グランデ村の最後は、そりゃひどかったみたいだよ。団員は子供たちの前で見せしめだと言って、両親を殺したそうな。それに、子供たちは相当長い間痛ぶられながら死んだ…と」
「そんな…」
ひどすぎる。
いくら能力者が呪いと言われていたって、そんなふうに殺す必要はない。
やっぱり、この国は腐ってる。
異常なんだ。
だから私は、人間が嫌いになったんだ。
「その中にアヤカとユウセイもいた。両親は目の前で殺され、生きる気力を失ったアヤカをユウセイがどうにか逃したそうな。その後ユウセイも逃げて、グランデ村で逃げられたのはふたりだけだったそうだね」
「その後…ふたりはどうなったんですか?」
今このふたりがこういう生活をしてるってことは、少なくとも国家騎士団には捕まらなかったってこと。
だったら、どんな行動に出たのかが気になる。
「ふたりは人間主義国に復讐を誓った。それから、ふたりはある“医者”を探した。それがカナタ・メアンだったようだね。……ここからが重要な情報だ。いいかい?よーく聞くんだよ」
私たちは、ゴクリと喉を鳴らした。
ここは人間主義国のカント国だ。
能力者の孤児院は、排除対象となり見つかれば処刑されるほどだ。
まさか、この人がそれを知らないわけはない。
だから私は、あっさりと告白したことに驚いているのだ。
「表向きはただのカフェ。裏では孤児院と、その生活を支えるために情報屋をやってるのさ」
ニカッと笑うエミカさんに、私は恐る恐る聞いた。
「あ、あの…私たちにそんなこと言ってよかったんですか?」
私の質問にきょとんとするエミカさん。
そんな彼女の代わりに、ソラが答えてくれた。
「ヒメアは別にこのことを口外しないだろ?それに、みんなも。あー、ていうか、エミカさんは知ってると思ってるでしょ」
「そうそう!あたしてっきり、ここにくるものだから知ってるんだとばかり!」
あ、そういうことか。
エミカさんは、ここを能力者の孤児院だって私たちが知ってると思ってたんだ。
それなら、さっきあっさり言ったのも納得がいく。
「そういえば、先ほど情報屋とおっしゃいましたね。具体的になにをしているのですか?」
「あ、その質問には俺がお答えるよ」
クラの質問に答えると言ったのは、スイだった。
「ここはね、実は裏に通じる門になってるんだよ。ちょっと危険だけど、そうするとひとつの依頼で大金が稼げるんだ。ここに俺たちが寄ったのも、それが理由。ここの情報をもらうため」
少し悪い顔で笑ったスイに、私は頷いた。
言いたいことはわかった。
ここでカナタたちの情報を引き出そうとしてるんだ。
信頼できる、唯一の情報屋だから。
「俺たちが動き回るには、まずは情報が必要だ。その後は、さっき言った通り観光をしよう。ね?ヒメア」
ニコッと笑ったソラに、私は頷いた。
それから、エミカさんが話を切り出す。
「じゃあ、これからは情報屋として話させてもらうよ。依頼内容は、数日前に来た手紙の情報だね?」
「うん」
いつも間にそんな手紙を出していたんだろう、と私は不思議に思った。
そんな私の心を読んだように、ソラが教えてくれた。
「ヒメアとイコロ国を出発する日に、事前に集めてほしい情報をピックアップして送っておいたんだ」
準備が良すぎて、びっくりしちゃうな。
本当に頼りになる。
「じゃあ、今から情報を渡すよ」
そう言って、エミカさんはテーブルの引き出しから何枚か紙を出した。
「まずはアヤカ・ニックスとユウセイ・ニックスについてだね。ふたりはイコロ国とカント国の国境にある、グランデ村で育ったそうだね。でも、グランデ村は10年前に王国騎士団に潰されちまった。グランデ村の最後は、そりゃひどかったみたいだよ。団員は子供たちの前で見せしめだと言って、両親を殺したそうな。それに、子供たちは相当長い間痛ぶられながら死んだ…と」
「そんな…」
ひどすぎる。
いくら能力者が呪いと言われていたって、そんなふうに殺す必要はない。
やっぱり、この国は腐ってる。
異常なんだ。
だから私は、人間が嫌いになったんだ。
「その中にアヤカとユウセイもいた。両親は目の前で殺され、生きる気力を失ったアヤカをユウセイがどうにか逃したそうな。その後ユウセイも逃げて、グランデ村で逃げられたのはふたりだけだったそうだね」
「その後…ふたりはどうなったんですか?」
今このふたりがこういう生活をしてるってことは、少なくとも国家騎士団には捕まらなかったってこと。
だったら、どんな行動に出たのかが気になる。
「ふたりは人間主義国に復讐を誓った。それから、ふたりはある“医者”を探した。それがカナタ・メアンだったようだね。……ここからが重要な情報だ。いいかい?よーく聞くんだよ」
私たちは、ゴクリと喉を鳴らした。


