執着心がないはずの危険な男は少女を甘く囲い込む。

「興味を持ってしまってからかったら、全部が可愛くて。もう逃がせない、と思った。ずっとここで囲んでしまいたいって」

「だから、ついからかうような態度を取った」

柊斗が私の膝の上でまた目を瞑る。



「怖がられるのには慣れていたはずなのに、甘い毒薬みたいな女の子。俺を恐れもせずに、小説のヒーローみたいだと言ってくれる」



柊斗は目を開けない。



「前に話した興味を持ったきっかけも全部本当。でも一番は……」



「俺と目を逸さなかったこと」



柊斗が目を瞑ったまま、私の腕から辿(たど)るように手を握る。