執着心がないはずの危険な男は少女を甘く囲い込む。

私が言葉に詰まった瞬間、柊斗が私を抱きしめた。

強く、壊れるくらいの力を込めて。


「ちょっと……! 痛い!」


そんな私の言葉を無視する。





「俺が『寂しい』って言ったら、紗都は抱きしめてくれる?」





まるで(すが)るような言い方。

だからこそ、私は……



「嫌」



私の短い返答に柊斗は顔を上げない。






「代わりに本を読んでいる間だけなら膝を貸してあげる」






柊斗はやっぱり顔を上げない。

しかし抱きしめていた腕の力が弱くなり、優しい力のかけ方に変わる。