執着心がないはずの危険な男は少女を甘く囲い込む。

そう思うのに上手く口が動かない。

体が氷になったように動いてくれない。

この人の威圧感は一体どこから来るのだろう。

そんなことを考えている間に私の膝の上に頭を乗せていた男は、起き上がる。

そして、簡単に体の向きを変えて私を押し倒した。









「俺は誰かの膝の上で寝るより、こういう方が好きなんだけれど」








動いてよ、私の身体。



「で、誰の指示? どうやってここを知ったの?」



「何も言わないならこのまま進めていいの?」



これだけ威圧感をかけておいて、よく言えたものだ。

そんな考えが頭をよぎっていくうちに段々と心は落ち着いていく。

口が動くようになる。