執着心がないはずの危険な男は少女を甘く囲い込む。

「馬鹿なの!? せっかく傘を持ってたのに!」

視線は交わらない。

思ったよりも濡れなかったが、傘があればここまで濡れる必要すらなかった。

柊斗は奥の部屋から取ってきたタオルを私にポイっと投げた。

「早く拭かないと風邪引くぞ」

「誰のせいだと思って……!」





「じゃあ、あそこで傘を奪わなかったら紗都はここに来てくれた? どうせ逃げただろ。まぁ、逃さないけれど」





私はとんでもない男に捕まってしまったかもしれない。

「なんで私に執着するの?」

「執着?……ああ、そうか。俺は執着しているのか」

柊斗は心底楽しそうだった。