執着心がないはずの危険な男は少女を甘く囲い込む。

「ちょっと待って。柊斗、止まって!」

私の声が届いているかすら分からない。

それでも叫ぶしかなかった。

「柊斗!」

昨日の本屋の方向へ向かって柊斗は走っていく。

高校近くで偶然見つけた本屋。

高校から距離があるわけじゃない。

それでもこの雨の中、あの本屋まで向かえば髪も制服も濡れるだろう。




それでも、柊斗はあの本屋まで止まっては来れなかった。




本屋に入ってすぐに私は柊斗に怒った。