執着心がないはずの危険な男は少女を甘く囲い込む。

窓越し、ガラス越し。

いくら窓際の席といえど目など合うはずがないのに、その男と私の視線は混じり合う。


(っ……!)


慌てて逸らしてももう遅い。

柊斗が昨日と同じ掴みどころのない笑みで笑った気がした。