執着心がないはずの危険な男は少女を甘く囲い込む。

私は柊斗から逃げるように立ち上がって、スクールバッグの中に本を片付けようとした。

しかし、柊斗に本を奪われる。



「次にここに来た時に返したやるよ」



それは逃さないという意味。

その言葉が悔しくて、私はバッと柊斗から本を奪い取って店を出た。

だから、その後に柊斗が何と呟いたか知るよしもなかった。







「あー、生意気すぎてかわい」







逃げられない溺愛が始まる。