寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました

 


「えーと、おはようございます」
と綾都は職場の廊下で出会った慶紀に頭を下げた。

 慶紀はなにか考えながら、こちらを見ている風だったが、やがて、
「おはよう」
と言う。

 しかし、整った顔した人だな。
 なんか緊張感のある顔だ。

 怖いよ、と綾都が思っていると、部長が慶紀に訊く。

「おや。
 慶紀くんは、藤宮くんと知り合いなのかね?」

 はい、と言った慶紀は、こちらを手で示し、言った。

「私の結婚相手です」

「ええっ?」
と部長と同期たちと綾都が驚いた。

 部長がこちらを見、
「……なんで君が驚くのかね」
と言う。