魔法使い時々王子

イスタリア王国――。

シドは王宮の書庫で、ロザリアに頼まれた本を探していた。

高い本棚に並ぶ無数の蔵書を一冊ずつ確認していると、ふと、背後から気配を感じた。

振り返ると、そこにはエミリーが立っていた。

白い鳥の姿ではなく、人の姿をしたエミリーは、シドのもとまで歩み寄ると、一通の手紙を差し出した。

「アリス様より預かりました」

「……ありがとう。」

シドは差し出された手紙を受け取ると、すぐに封を開けた。

そして、静かに便箋へ目を落とす。

一文字、一文字――。

アリスからの言葉を、シドは最後まで読み進めた。

すべて読み終えると、シドは大きく息を吐いた。

「……そうか」

手紙を握りしめるように持ったまま、シドはすぐに立ち上がった。

そしてそのまま、ルイのもとへ急いだ。