魔法使い時々王子

セオの言葉に、アリスは頷いた。

「……分かったわ。シドに伝える」

「それから、アリス」

セオはもう一度、アリスを見つめた。

「君が必ず幸せになること。これが最大の条件だ」

その言葉に、アリスは思わずクスッと笑った。

「最大の条件は、この国の安泰と国民の幸せよ」

「ああ。もちろん、それが一番だ」

セオは穏やかに微笑んだ。

「でも、君の幸せも絶対に譲れない」

そして、少しだけ真剣な表情になる。

「シドと必ず結ばれてくれ。絶対にだ」

その言葉に、アリスは視線を落とした。

「……シドは、そうしたいと言ってくれたわ」

アリスは小さく息を吐く。

「私も……そうなれば幸せよ」

けれど、その声には少しだけ迷いが混じっていた。

「でも、そんなに簡単な話ではないわ」

「……」

セオは黙ってアリスを見つめた。

「私は離縁した王女になるの。アスタリトの国王が……私とのことを許すかどうか」

アリスは膝の上で、ぎゅっと手を握った。

「それに、アスタリトとこの国の関係もある。私一人の気持ちだけで決められることではないもの」

セオは静かに口を開いた。

「だからこそ、僕は君にも幸せになってほしいんだ」

アリスは顔を上げた。

「お願いだ。」

真剣な顔のセオを見てアリスは微笑んだ。

「…ありがとう。」