魔法使い時々王子

「……でも、エミリーが連絡役って、どうやって……?」

アリスがそう呟いた、その時だった。

コン、コン。

再び小窓を叩く音がした。

アリスが振り返ると、一羽の真っ白な鳩が窓辺にとまっていた。

その脚には、青いリボンが結ばれている。

「……もしかして。」

アリスはそっと窓を開けた。

鳩は驚くことなく部屋の中へ入り、机の上へふわりと降り立つ。

「アリス様、お久しぶりです。」

「えっ?!」

突然聞こえた声に、アリスは思わず目を丸くした。

辺りを見回すが、部屋には誰もいない。

恐る恐る視線を鳩へ向ける。

「……鳩が、しゃべった?」

鳩は小さく首を傾げると、どこか嬉しそうに答えた。

「はい。」

その声は、聞き覚えのある落ち着いた声だった。

アリスははっと息を呑む。

「……もしかして、エミリー?」

「そうです。お久しぶりですアリス様。」

鳩は小さく羽を震わせた。

「私は翼人なんです。」

「翼人……?」

「人の姿と鳥の姿を行き来できる一族です。今後は私が、シド様やジル様との連絡役を務めます。」

アリスは驚きのあまり、しばらく言葉が出なかった。

アスタリトには、まだ自分の知らないことが数多くあるのだと、改めて実感した。