魔法使い時々王子

部屋で落ち着かない様子のアリスのもとへ、ノエルがやって来た。

「アリス様。ローズ様とダリウス様がお戻りになりました。」

その言葉を聞くと、アリスは立ち上がった。

「ありがとう。」

足早に部屋を出て、図書室へ向かう。

扉を開けると、ローズとダリウス、そしてリトが待っていた。

「どうだった?」

アリスが問いかけると、ダリウスが静かに口を開いた。

「結論から言うと、イスタリアの使者も何も聞かされていないようだった。」

アリスは息を呑む。

「……じゃあ、お父様が突然会談を中止したってこと……?」

「そうみたいよ!」

ローズが身を乗り出した。

「宿屋のみんなも『何が起きたんだ』って困ってたわ!」

「しかも、もう少し様子を見るよう大臣に確認を取っているようだ。」

ダリウスが付け加える。

アリスとリトは顔を見合わせた。

イスタリア側も混乱している。

それだけは間違いなさそうだった。

しばらく沈黙が流れる。

やがてリトが腕を組み、小さく口を開いた。

「……次の動きを待つしかないな。」

アリスはゆっくりと頷く。

そして、決意を固めるように皆を見渡した。

「……今夜、セオに話すわ。」

その場の空気が張りつめる。

「私たちの計画を、全部。」

ローズとダリウスは静かに頷いた。

リトも何も言わず、その決意を受け止めるようにアリスを見つめていた。