魔法使い時々王子

お茶会が終わると、アリスとリトは図書室へ向かった。

扉を開けると、ローズとダリウスが待っていた。

「アリス、リト。」

二人の表情を見て、ローズは結果を察したようだった。

「……会談は急遽中止か。」

ダリウスが静かに言う。

アリスは視線を落とし、小さくため息をついた。

「ええ……。」

「結局、何も分からなかったわ。」

図書室に重い空気が流れる。

その時だった。

バタバタと足音が響き、ノエルが足早に入ってきた。

「アリス様!」

皆が一斉に振り返る。

「今、新しい情報が入りました。」

ノエルは息を整えると続けた。

「今日来る予定だったイスタリアの使者ですが、現在は王都の宿屋に滞在しているようです。今夜はそこで一泊されるとのことでした。」

「使者はこちらには来ていたのか。」

リトが腕を組む。

「ええ。」

ノエルは頷いた。

「昨日のうちにミロへ到着していたようです。」

「昨日から……。」

アリスは驚いたように呟いた。

「それなら、なおさら会談が中止になった理由が分からないわ。」

ダリウスは少し考え込むように顎へ手を添えた。

「宿屋へ行ってみるか。」

その一言に、皆の視線が集まる。

「何か情報が手に入るかもしれない。」

「はいはい!」

勢いよく手を挙げたのはローズだった。

「じゃあ、私とダリウス様が行くわ!」

ダリウスは苦笑しながら肩をすくめる。

「もう決定なんだな。」

「もちろん!」

ローズは自信満々に胸を張った。

「こういうのは人数が多いと目立つもの。私たち二人で行って、何か分かったらすぐに戻るわ!」

アリスは二人を見つめ、小さく頷いた。