魔法使い時々王子

三日後――。

アリスとリトは、エレオノーラに招待されたお茶会に出席していた。

今日はエレオノーラの誕生日でもある。

王宮の一室では、招待された貴族や王族たちが、それぞれ談笑を楽しんでいた。

色とりどりの花が飾られた室内には、甘い菓子と紅茶の香りが漂っている。

そんな華やかな空間の中で、アリスとリトは部屋の隅のソファに並んで腰掛け、静かに紅茶を口にしていた。

「……お茶会なんて欠席して、会談を聞きに行くべきだったんじゃないのか。」

リトが小声で言った。

アリスは首を横に振る。

「だめよ。前からお誘いいただいていたし、今日はエレオノーラ様のお誕生日よ。」

そして、少しだけ微笑んだ。

「あの隠し部屋があれば、確実に内容は聞けるわ。私たちが行かなくても大丈夫。」

リトは納得していないようだったが、それ以上は何も言わなかった。

その時だった。

「あの……アリス様。」

聞き覚えのある声に、アリスは顔を上げた。

そこには、ローズの侍女が立っていた。

「どうしたの?」

アリスが尋ねると、侍女は周囲を気にするように視線を巡らせてから、小さく頭を下げた。

「ローズ様が、急ぎお伝えしたいことがあるそうです。こちらをお渡しするようにと。」

そう言って、一枚の紙を差し出した。

アリスは眉をひそめた。

「……何かしら。」

嫌な予感がした。

アリスは紙を受け取ると、ゆっくりとそれを開いた。