翌日――。
まだ朝食を終えたばかりだというのに、ローズは衣装係を連れてアリスの部屋へやって来た。
「アリス! 持ってきたわよ!」
部屋へ入るなり、ローズは満面の笑みで声を上げる。
衣装係たちは次々とドレスを広げて見せた。
深い森を思わせる深緑のドレス。
夜空のような黒のドレス。
そして春の花を思わせる桃色のドレス。
「私のおすすめはこれね!」
ローズは迷うことなく桃色のドレスを指差した。
「とっても素敵でしょう? 絶対に似合うわ!」
アリスは三着のドレスを順番に眺める。
そして、ほとんど迷うことなく一着を選んだ。
「これにするわ」
手に取ったのは黒のドレスだった。
ローズは目をぱちぱちと瞬かせる。
「えぇ!? そっち?」
明らかに不満そうな表情を浮かべた。
「少し地味じゃない?」
「いいのよ」
アリスは穏やかに首を振る。
「目立ってはいけないんだから。これくらいがちょうどいいわ」
そう言って黒のドレスを身体に当て、鏡に映る自分の姿を確かめる。
派手さはないが、落ち着いた雰囲気で仮面舞踏会にもよく合いそうだった。
「もう……もったいないわ」
ローズは肩を落としながらも、どこか楽しそうに笑う。
「でも楽しみね! 早く夜にならないかしら!」
待ちきれないという様子で頬を緩めるローズとは対照的に、アリスは壁の時計へ視線を向けた。
「さあ、今日は朝の礼拝がある日よ。準備をしないと」
その言葉に、ローズは大げさなくらい大きなため息をつく。
「せっかく楽しみな日なのに、礼拝だなんて……」
「そんなことを言わないの」
アリスは思わず笑みをこぼした。
浮き足立つローズを見ていると、不思議と自分まで少しだけ夜が待ち遠しくなっていることに気づくのだった。
まだ朝食を終えたばかりだというのに、ローズは衣装係を連れてアリスの部屋へやって来た。
「アリス! 持ってきたわよ!」
部屋へ入るなり、ローズは満面の笑みで声を上げる。
衣装係たちは次々とドレスを広げて見せた。
深い森を思わせる深緑のドレス。
夜空のような黒のドレス。
そして春の花を思わせる桃色のドレス。
「私のおすすめはこれね!」
ローズは迷うことなく桃色のドレスを指差した。
「とっても素敵でしょう? 絶対に似合うわ!」
アリスは三着のドレスを順番に眺める。
そして、ほとんど迷うことなく一着を選んだ。
「これにするわ」
手に取ったのは黒のドレスだった。
ローズは目をぱちぱちと瞬かせる。
「えぇ!? そっち?」
明らかに不満そうな表情を浮かべた。
「少し地味じゃない?」
「いいのよ」
アリスは穏やかに首を振る。
「目立ってはいけないんだから。これくらいがちょうどいいわ」
そう言って黒のドレスを身体に当て、鏡に映る自分の姿を確かめる。
派手さはないが、落ち着いた雰囲気で仮面舞踏会にもよく合いそうだった。
「もう……もったいないわ」
ローズは肩を落としながらも、どこか楽しそうに笑う。
「でも楽しみね! 早く夜にならないかしら!」
待ちきれないという様子で頬を緩めるローズとは対照的に、アリスは壁の時計へ視線を向けた。
「さあ、今日は朝の礼拝がある日よ。準備をしないと」
その言葉に、ローズは大げさなくらい大きなため息をつく。
「せっかく楽しみな日なのに、礼拝だなんて……」
「そんなことを言わないの」
アリスは思わず笑みをこぼした。
浮き足立つローズを見ていると、不思議と自分まで少しだけ夜が待ち遠しくなっていることに気づくのだった。



