魔法使い時々王子

アリスが打ち明けると、二人の間にしばし沈黙が落ちた。

ルーナはすぐには口を開かず、まるで言葉を選ぶように静かに視線を伏せる。

やがて、小さく息をついてから言った。

「……王太子様には、お伝えしておいた方がよろしいかもしれません」

「セオに……?」

思わず声が上ずる。

ルーナは穏やかに頷いた。

「もし後から知られれば、きっとご心配なさいます」

「それは……そうだけど……」

アリスは膝の上で手を握りしめる。

言いづらい。

けれど、黙って出かけるのは違う気がした。

少し考え込んだあと、アリスは意を決したように立ち上がる。

「……分かったわ。セオに話してくる」

「はい」

ルーナは静かに頭を下げた。

アリスはまだ落ち着かない胸のまま、部屋を後にした。