魔法使い時々王子

手伝いを頼んだローズも特に問題は起こさず、園遊会は無事に終わった。

しかしその後にローズがしてきた提案はアリスは予想もしていなかったことだった。

非公式の舞踏会に出かけるーー

イスタリアにいた頃だって、街へ出るのは公務の時だけだった。

きらきらと目を輝かせるローズを見て、アリスは小さく溜息をつく。

「……でも、ドレスや髪はどうするの? ルーナには頼めないわよ」

「大丈夫よ! 私のメイドが準備するもの!」

ローズは胸を張って答える。

その勢いに押されるまま、アリスは思わず口を開いていた。

「……分かったわ」

言った瞬間、自分でも驚いた。

「本当!? じゃあ、すぐにドレスと馬車を手配するわね! 絶対に楽しいわ!」

ローズは弾んだ声を残し、そのまま嵐のように駆け去っていく。

静かになった廊下に、一人取り残されたアリスは額に手を当てた。

(私ったら……思わず行くって言ってしまったけど……)

今になって、じわじわと後悔が押し寄せてくる。