魔法使い時々王子

そして数日後――穏やかな春の日差しのもと、園遊会が開かれた。

澄み渡る青空の下、王宮の庭園には色とりどりの薔薇が咲き誇っている。

王室専属の庭師たちが丹精込めて育てた薔薇は、どれも見事で、風が吹くたび甘やかな香りが庭を包み込んでいた。

アリスはエレオノーラと共に会場を回り、来客への挨拶や案内に追われていた。

庭園には多くの貴族たちに加え、近隣諸国から招かれた王族や使節の姿もある。

華やかな笑い声と音楽が庭に溶け込み、園遊会は今のところ何事もなく順調に進んでいた。

そんな中、ローズもまた人目を引いていた。

淡い桃色のドレスを翻しながら、初対面の客にも臆することなく笑顔で話しかけている。

ころころと表情を変えながら楽しげに会話をする姿は、まるで春そのもののように明るい。

その様子を遠目に見ながら、アリスは小さく息を吐いた。

――意外と、問題は起こしていないのね。

リトから散々「お騒がせお嬢様」と聞かされていたせいか、少し拍子抜けしてしまうアリスだった。