いつものようにアリスはアウルム図書館でリトと並んで本を読んでいた。
高い天井まで届く書架。
差し込む光が、埃をきらめかせる。
王太子妃としての公務も少しずつ増えてきているが、公務のない日はたいていここで過ごしていた。
「星晶に関する古文書は、やっぱり制限付きか……」
リトが小さくつぶやく。
「おや、それは閲覧許可が必要ですよ」
穏やかな声が、静かな空間に落ちた。
振り向くと、柔らかな金髪を揺らす青年が立っている。
陽光を受けて淡く光る髪。
整った顔立ちに、どこか人を安心させる柔らかな微笑み。
「ノエル!」
リトの声が、わずかに弾んだ。
アリスは思わず瞬きをする。
リトがこんなふうに、素直に嬉しそうな声を出す相手がいるなんて。
「久しぶりだね、リト」
青年は穏やかに笑った。
その仕草は柔らかく、どこまでも好青年だ。
「彼は?」
アリスが問うと、リトは肩をすくめる。
「図書館の管理をしてる。俺が小さい頃から世話になってる人」
何気ない言い方だが、その声には深い信頼が滲んでいた。
ノエルは一歩前に出て、丁寧に一礼する。
「アリス様、お噂はかねがね」
柔らかな声音。
だがその瞳は――
優しい色の奥に、ほんの一瞬だけ鋭い光が宿っていた。
まるで、すでに多くを知っているかのように。
高い天井まで届く書架。
差し込む光が、埃をきらめかせる。
王太子妃としての公務も少しずつ増えてきているが、公務のない日はたいていここで過ごしていた。
「星晶に関する古文書は、やっぱり制限付きか……」
リトが小さくつぶやく。
「おや、それは閲覧許可が必要ですよ」
穏やかな声が、静かな空間に落ちた。
振り向くと、柔らかな金髪を揺らす青年が立っている。
陽光を受けて淡く光る髪。
整った顔立ちに、どこか人を安心させる柔らかな微笑み。
「ノエル!」
リトの声が、わずかに弾んだ。
アリスは思わず瞬きをする。
リトがこんなふうに、素直に嬉しそうな声を出す相手がいるなんて。
「久しぶりだね、リト」
青年は穏やかに笑った。
その仕草は柔らかく、どこまでも好青年だ。
「彼は?」
アリスが問うと、リトは肩をすくめる。
「図書館の管理をしてる。俺が小さい頃から世話になってる人」
何気ない言い方だが、その声には深い信頼が滲んでいた。
ノエルは一歩前に出て、丁寧に一礼する。
「アリス様、お噂はかねがね」
柔らかな声音。
だがその瞳は――
優しい色の奥に、ほんの一瞬だけ鋭い光が宿っていた。
まるで、すでに多くを知っているかのように。



