魔法使い時々王子

白布に覆われたそれが、ゆっくりと取り払われた。

瞬間――

淡い蒼光が広場を満たす。

ざわり、と空気が震えた。

それはただの光ではない。鼓動のように、脈打つ魔力。

アリスの胸が、わずかに締めつけられる。

――これが、星晶。

遠目にも分かる。宝石などではない。まるで生きているかのような、圧倒的な存在感。

周囲の人々は恍惚とした表情で光を見つめ、深く祈りを捧げている。

国を守る力。
王家の象徴。
そして、未来の王が継ぐもの。

隣に立つリトが、小さく呟いた。

「……強いな」

その声には、いつもの軽さがない。

星晶の光が彼の横顔を照らす。

魔法使いの血を持つ彼には、きっとアリスよりもはっきりと分かるのだろう。この力の異質さが。

星空の下、人々の祈りが重なる。

美しい夜だった。