魔法使い時々王子

次の日。
アリスはクッキーを持って、再びアウルム図書館を訪れた。

昨日と同じように、リトは本を読んでいる。

アリスは彼の前に座り、クッキーを差し出した。

「よかったら、食べない?」

リトは何も言わず、黙ってクッキーに手を伸ばし、食べ始めた。

「へえ……幽霊もクッキー食べられるのね」

その瞬間、リトは思いきりむせた。

「は? 幽霊? 俺が?」

「幽霊なんでしょ?」

きょとんとした顔で、アリスは言う。

「なんでだよ。俺は生きてるよ」

「ええ? だって、子供にしては大人びてるし、毎日ここで一人でいるし……」

するとリトは、呆れたようにため息をついた。

「……あんた、本気で言ってるのか」

そして、はっきりと言った。

「俺はセオの弟。この国の第二王子だ。
それに――あんたの義理の弟だよ」

その言葉に、アリスは目を大きく見開いた。

「……え?」

あまりの衝撃に、言葉が出なかった。