ん…
ここ…は…
学習机、霧女(霧ヶ丘女子学院の略)の制服…神奈の写真…
これ…私の部屋!
まさか。
本当に、殺されたみんなが…!?
咄嗟に自分の部屋を出て、階段をもう大急ぎで駆け抜ける。
ドアを開けた。
「あ…」
「お姉ちゃん?」
ああ…懐かしい…
神奈…
「どうしてここに?」
「え?なんか向こうの世界で、突然生き返っていいことになって…ここに来たけど?」
向こうの世界とは、きっと私も一度行った死後の世界のことだ。
…ギュッ。
「お姉ちゃん…?」

「神奈ああああああああ!!!!!!会いたかった…!会いたかった…!会いたかったーーーーー!!!!!!!!!あれからずっと、…2年間…お姉ちゃんは神奈を待ってたの…!嬉しいよ、もう幸せでいっぱいだよーーーーー!!!!!」
「お姉ちゃん…驚きすぎー」
「あははっ、本当に嬉しいんだもん!!!!」
もう私の心の中は嬉しさでいっぱいだ。
…ん?待てよ?
神奈が生き返った。
ってことは、他の子も生きている…
「願いが…叶った…」
「お姉ちゃん、何言ってんの?」
「ううん、今、私の願いも、みんなの願いも、叶ったの」
「お姉ちゃん大げさだなー」
はあ…
私たちとあやめの戦いは…
「ようやく終わったね…」
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(かなたside)
ここは…学校の門?
表札を見る。
「鳴海女子中学校」
私たちがかつていた、学校だ…
「おっはよ〜!夕美!」
この声…!
確かデスゲームで殺された、美波ちゃんの声…
それだけじゃない。
かつてのクラスメイトがどんどん学校に来る。
「あれ?かなたちゃんだ!その制服…別の学校に行ったの?」
千世ちゃんの声だ。
「…あ、そうなのよ!ちょっと遠いから通学が大変よ〜」
「へえー」
よかった…
ちゃんと、「みんなが幸せになれる願い」を、杏奈さんは叶えてくれたそうね…
空を見上げる。
ありがとう。杏奈。
あやめのデスゲームからたったわずかに得られたのは、仲間が復活した時の喜びだった。
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車が走る。
学校で生徒が喋る。
信号が青になる。
そしてまた変わらない、日常が流れるーーーー
                  -fin-