二人で恋を始めませんか?

「優くん、おかえりなさい」
「ただいま、茉莉花」
 駅のホームで二人は向かい合う。この言葉を交わす日を、どれだけ待ちわびていただろう。別れのない再会。それがどれほど嬉しいものか。二人で喜びを噛みしめながら、新居へと向かった。
「はい、どうぞ。私たちの愛の巣へようこそ」
「ははっ! 今日からお世話になります」
 おどけながら二人で部屋に上がる。
「はあ、やっと帰って来た」
「優くん、長い間お疲れ様でした」
「茉莉花も。ありがとう」
 そう言ったあと、二人は胸を詰まらせた。込み上げる気持ちに、なにも言葉が出てこない。互いに見つめ合うと、どちらからともなく抱きしめ合う。今はただ、この喜びを噛みしめよう。まだ実感は湧かないけれど、ゆっくりと身体中に広がるだろう。二人で乗り越え、ようやく掴んだ幸せが。
 そして信じられる。この幸せはこの先も続いていくと。ずっとずっと、いつまでも……