雪之町くんって、実はフシギちゃん系だったりするのかな。まあ、それにしたって、カッコいいんだけどね。
それにしても、雪之町くんの言ってる事は、むずかしくてよくわかんない。
「桜の木が、すごいってこと?」
「そうだな。この木があれば、たいてい、なんでもできる。お前がこの、我が母星ブロッサムにテレポートしてきたように」
え? ……えーと。
今、なんて?
わたしは、いつのまにか敬語を忘れ、どんどんとわきあがる疑問を遠慮なく、雪之町くんにぶつけていた。
「地球じゃないの? ここ」
「そうだ」
「えっと、ここ、どこ?」
「地球から何兆光年もかけはなれた、雪花銀河系だ」
ゆきばなぎんがけい?
わたしが、宇宙とかにそれほどくわしいワケじゃないからなのかな?
初めて聞いた。そんな銀河系も、あるんだね。
「地球がある星々の領域を、太陽系と言うだろう。ここは雪花銀河系の天体・惑星ブロッサム。地球とちがい、まだ、どんな宇宙人の目にも触れていない、マイナーな星だというのは、否定できない」
「ごめんなさい。話が大きすぎて、ついていけないんだけど」
「そうか」
そう言うと、フイッと雪之町くんは、桜の木の方へと歩き出した。
あたしは、あわてて追いかける。
こんなよくわからないところで、一人になりたくないもんね。
「ねえ、雪之町くん」
「なんだ」
「雪之町くんて、人間?」
「人間というのは、地球での俺たちにたいする総称だな。そういう意味で言うなら、俺は……人間ではないと言えるだろう」
雪之町くんの言葉に目をまん丸にしたわたしに、彼はこちらをふり返り、少しだけくちびるをゆるめ、言った。
「正確には、"地球の人間ではない"。"他の星の人間"と、いうことだ」
雪之町くんの右手が、桜の幹にふれている。
舞い散る桜の花びらが、彼の雪のような白髪を透かしていて、とてもきれいだ。
「俺は、この"ブロッサム星の人間"だ」
フワリとした、暖かい風が吹いた。春風は、この星にも吹くのだな、と思った。
雪が、降っている。
手のひらに落ちた、うすピンク。
いや、ちがう。
これは、桜の花びら。
「俺は、この星の最後の生命体」
「最後……?」
「地球へは、花嫁候補を探しに行っていた」
「……え?」
いろいろなコトが起こりすぎていて、ただでさえ混乱してるのに。
それにしても、雪之町くんの言ってる事は、むずかしくてよくわかんない。
「桜の木が、すごいってこと?」
「そうだな。この木があれば、たいてい、なんでもできる。お前がこの、我が母星ブロッサムにテレポートしてきたように」
え? ……えーと。
今、なんて?
わたしは、いつのまにか敬語を忘れ、どんどんとわきあがる疑問を遠慮なく、雪之町くんにぶつけていた。
「地球じゃないの? ここ」
「そうだ」
「えっと、ここ、どこ?」
「地球から何兆光年もかけはなれた、雪花銀河系だ」
ゆきばなぎんがけい?
わたしが、宇宙とかにそれほどくわしいワケじゃないからなのかな?
初めて聞いた。そんな銀河系も、あるんだね。
「地球がある星々の領域を、太陽系と言うだろう。ここは雪花銀河系の天体・惑星ブロッサム。地球とちがい、まだ、どんな宇宙人の目にも触れていない、マイナーな星だというのは、否定できない」
「ごめんなさい。話が大きすぎて、ついていけないんだけど」
「そうか」
そう言うと、フイッと雪之町くんは、桜の木の方へと歩き出した。
あたしは、あわてて追いかける。
こんなよくわからないところで、一人になりたくないもんね。
「ねえ、雪之町くん」
「なんだ」
「雪之町くんて、人間?」
「人間というのは、地球での俺たちにたいする総称だな。そういう意味で言うなら、俺は……人間ではないと言えるだろう」
雪之町くんの言葉に目をまん丸にしたわたしに、彼はこちらをふり返り、少しだけくちびるをゆるめ、言った。
「正確には、"地球の人間ではない"。"他の星の人間"と、いうことだ」
雪之町くんの右手が、桜の幹にふれている。
舞い散る桜の花びらが、彼の雪のような白髪を透かしていて、とてもきれいだ。
「俺は、この"ブロッサム星の人間"だ」
フワリとした、暖かい風が吹いた。春風は、この星にも吹くのだな、と思った。
雪が、降っている。
手のひらに落ちた、うすピンク。
いや、ちがう。
これは、桜の花びら。
「俺は、この星の最後の生命体」
「最後……?」
「地球へは、花嫁候補を探しに行っていた」
「……え?」
いろいろなコトが起こりすぎていて、ただでさえ混乱してるのに。



