サカエくんは、ポピーの機能を日ごろから、いろいろ追加しているみたいだった。
そのなかのひとつに、ポピーが人さし指の先端をプッシュすると空間に映し出される、小惑星チロルのマップ機能を、宇宙全体の航海図を空間に映しだせるものにバージョンアップしたみたい。
サカエくんに言われ、お茶の用意をし終えたポピーが、ビトーズ星への航路を空間に映し出す。
「ビトーズ星は、ここからだいぶ距離がある。ワープを繰り返しながら、目的地へと向かう予定だ」
その時、ポピーが、小さく声をあげた。
「ポピー、どうしたの?」
「そう言えば、桜モチが、もうないようです」
「なんだと!」
珍しく、焦り隠せないようすでイスから立ち上がる、サカエくん。
見ると、確かにポピーが用意してくれたのは、桜茶だけ。
いつもあるお茶菓子は、置かれていない。
心なしか、桜茶の色も、薄いような気がする……。
「本当、なのか?」
「どの幹のくぼみにも、入っていません」
「なんという、ことだ……」
それを聞いたサカエくんは、ションボリしながら、近くの幹のくぼみをのぞきこんだ。
そして、ポピーの言った衝撃の事実を目の当たりにし、頭を抱えながら、その場にしゃがみこんだ。
「まさか、こんなに早くとは。やはり、距離が近いとは言え、あの砂丘の星を一番にしたのは、間違いだったか……」
「サカエくん、何が起きたの? 大丈夫なの?」
「そうだな……。大丈夫じゃないな……」
そのなかのひとつに、ポピーが人さし指の先端をプッシュすると空間に映し出される、小惑星チロルのマップ機能を、宇宙全体の航海図を空間に映しだせるものにバージョンアップしたみたい。
サカエくんに言われ、お茶の用意をし終えたポピーが、ビトーズ星への航路を空間に映し出す。
「ビトーズ星は、ここからだいぶ距離がある。ワープを繰り返しながら、目的地へと向かう予定だ」
その時、ポピーが、小さく声をあげた。
「ポピー、どうしたの?」
「そう言えば、桜モチが、もうないようです」
「なんだと!」
珍しく、焦り隠せないようすでイスから立ち上がる、サカエくん。
見ると、確かにポピーが用意してくれたのは、桜茶だけ。
いつもあるお茶菓子は、置かれていない。
心なしか、桜茶の色も、薄いような気がする……。
「本当、なのか?」
「どの幹のくぼみにも、入っていません」
「なんという、ことだ……」
それを聞いたサカエくんは、ションボリしながら、近くの幹のくぼみをのぞきこんだ。
そして、ポピーの言った衝撃の事実を目の当たりにし、頭を抱えながら、その場にしゃがみこんだ。
「まさか、こんなに早くとは。やはり、距離が近いとは言え、あの砂丘の星を一番にしたのは、間違いだったか……」
「サカエくん、何が起きたの? 大丈夫なの?」
「そうだな……。大丈夫じゃないな……」