なんて思っていると、いきなり雪之町くんはズイッと、わたしのほうへ、顔を近づけてきた。
ち、近い近い近い! 雪之町くんてば、顔が良すぎるよッ!
「ちょうどいい。お前を連れて行こう」
「うそッ、どこにッ?」
「地球的に言うならば、<旅行>みたいなものだな」
「それって……でッ……デートッ?」
なんかさっき、いろいろと引っかかるところがあったぞ?
でもでも、もうそんなこと、どうでもいい!
だって、雪之町くんに……デートに、誘われたんだもん!
ひとり興奮していると、雪之町くんがパチン、とカッコよく指を鳴らした。
すると、いきなり突風が吹いて、ブワッと目の前に、桜吹雪が飛んでくる。
視界は、桜のピンクでいっぱい。
え。何、今の?
やっぱり、魔法?
遠くで、ナナセがわたしを呼んだような気がした。
だけど、桜吹雪がすごくて、声が出せない。
わたし、どうなっちゃうの? 雪之町くんは、どこ?
雪之町くんと、デートできると思ってたのにーっ!
そう思ったとき、わたしの手に、あたたかいものがふれてくる。
誰? 雪之町くん?
そこで、わたしの意識は飛んでしまった。
*
真っ暗の視界から、うすい光がじわりと、にじんでくる。
だんだんと目を開いていくと、大きな木の横で、きれいな白の髪がさらりとゆれるのが見えた。
「雪之町くん!」
自分でも驚くほどの、ものすごい腹筋力で、ぐりんっと起き上がった。
どうやら、この大きな木は、桜の木みたい。
薄桃の花びらは、ところどころ光を通し、透明の宝石みたいだった。
それにしても、この桜の木。
「中庭の桜に、似てる?」
「似ているが、違う」
わたしが桜を見上げているうちに、いつのまにか、雪之町くんが隣に立っていた。
自然と、顔に熱が集まる。なんて今日は、いい日なの。がんばって、雪之町くんに声をかけて、よかったなあ……!
「この木は、長い年月をかけて、さまざまなエネルギーを取り込んできた御神木なんだ」
「ごしんぼく?」
「神のチカラをわけてもらっている、木の事だな」
「ねえ、ここどこ? わたし、いつのまにこんなところに? まさか……魔法?」
「さっきも言った通り、俺は魔法なんて使えない。全て、桜の木の力だ」
ど、どういうこと……?
ち、近い近い近い! 雪之町くんてば、顔が良すぎるよッ!
「ちょうどいい。お前を連れて行こう」
「うそッ、どこにッ?」
「地球的に言うならば、<旅行>みたいなものだな」
「それって……でッ……デートッ?」
なんかさっき、いろいろと引っかかるところがあったぞ?
でもでも、もうそんなこと、どうでもいい!
だって、雪之町くんに……デートに、誘われたんだもん!
ひとり興奮していると、雪之町くんがパチン、とカッコよく指を鳴らした。
すると、いきなり突風が吹いて、ブワッと目の前に、桜吹雪が飛んでくる。
視界は、桜のピンクでいっぱい。
え。何、今の?
やっぱり、魔法?
遠くで、ナナセがわたしを呼んだような気がした。
だけど、桜吹雪がすごくて、声が出せない。
わたし、どうなっちゃうの? 雪之町くんは、どこ?
雪之町くんと、デートできると思ってたのにーっ!
そう思ったとき、わたしの手に、あたたかいものがふれてくる。
誰? 雪之町くん?
そこで、わたしの意識は飛んでしまった。
*
真っ暗の視界から、うすい光がじわりと、にじんでくる。
だんだんと目を開いていくと、大きな木の横で、きれいな白の髪がさらりとゆれるのが見えた。
「雪之町くん!」
自分でも驚くほどの、ものすごい腹筋力で、ぐりんっと起き上がった。
どうやら、この大きな木は、桜の木みたい。
薄桃の花びらは、ところどころ光を通し、透明の宝石みたいだった。
それにしても、この桜の木。
「中庭の桜に、似てる?」
「似ているが、違う」
わたしが桜を見上げているうちに、いつのまにか、雪之町くんが隣に立っていた。
自然と、顔に熱が集まる。なんて今日は、いい日なの。がんばって、雪之町くんに声をかけて、よかったなあ……!
「この木は、長い年月をかけて、さまざまなエネルギーを取り込んできた御神木なんだ」
「ごしんぼく?」
「神のチカラをわけてもらっている、木の事だな」
「ねえ、ここどこ? わたし、いつのまにこんなところに? まさか……魔法?」
「さっきも言った通り、俺は魔法なんて使えない。全て、桜の木の力だ」
ど、どういうこと……?



