ハッと、目を開けたのは、桜の木が咲きほこるブロッサムルームだった。
あれ? 惑星チロルにいたはずなのに、わたし、いつのまにここにもどってきたんだろう?
それにもう、すでに惑星チロルを出て、宇宙空間にいるみたい。
え? まって、花嫁の話は?
サカエくんは?
いや、ポピーは、どうなったのっ?
「シュリさん! 目が覚めたんですね!」
突然、ガバッと、きつく抱きしめられた。
首に回された、かたい素材だけれど、あたたかい腕。
「ポピー? なんで、ブロッサムルームに……」
「ついてきたんだ。そして、そのまま、ここに居座ってる」
サカエくんがお盆に、二人分の桜茶と、ポピー用に何かのボトルをもってきた。
「ポピー、居座ってるって……」
「はい、お世話になってます!」
あまりにも晴れやかなようすのポピーに、少し混乱するわたし。
えっと、チョット整理しよう。
惑星チロルにいたあの時、わたしは、ポピーに川の水をかけられちゃって、地球で言う、宇宙服みたいな存在の桜の粘液の膜が、やぶれてしまったんだ。
惑星チロルには、酸素がないから、地球人のわたしは、息が出来なくなっちゃって、そのまま限界がきて、ふらっと倒れちゃったんだ。
「まさか、水をかぶると息が出来なくなって、地球人の生命活動に異常をきたす状態になるとは知らなくて……! 本当に申し訳ありません。シュリさん!」
ポピーが腰をギュイン、と折って謝ってきたので、わたしはあわてて両手をぶんぶんふる。
「い、いいのいいの! あの時は、夢中だったし。ポピーのことを、なんとか説得できないかなって。それで、頭がいっぱいだったんだ。だから、空回りしちゃって。こっちこそ、ごめんね」
「シュリさん……!」
ポピーの声が、またも泣き出しそうだったので、わたしはまたポピーの頭をよせ、よしよしとなでる。
「ごめんね。勝手にわたしがこんなことになっちゃったんだから、気にしないでね」
「まったく、本当にな」
お盆をテーブルに置き、わたしの前に桜茶をさしだしながら、サカエくんが真面目な顔で言う。
「あの時、俺はスクーターを飛びおり、川に向かって走っていったお前に、ようやく追いついたところだった。ポピーに水をかけられても、平気で話を続けているから、てっきり水をさけたのかと思っていたが。膜が破れたまま、しゃべり続けているとは思わなかったな」
「あはは……。ごめんなさい……」
「急いで霧吹きをかけたが、間に合うのかと、肝を冷やしたぞ。俺の花嫁探しのせいで、お前を失うわけには行かないからな」
「サカエくん……!」
サカエくんに、そんな風に言ってもらえるなんて、もう感激すぎる……。
あっ、そうだ!
ポピーに、星型パーツを渡さないとね。
あれ? 惑星チロルにいたはずなのに、わたし、いつのまにここにもどってきたんだろう?
それにもう、すでに惑星チロルを出て、宇宙空間にいるみたい。
え? まって、花嫁の話は?
サカエくんは?
いや、ポピーは、どうなったのっ?
「シュリさん! 目が覚めたんですね!」
突然、ガバッと、きつく抱きしめられた。
首に回された、かたい素材だけれど、あたたかい腕。
「ポピー? なんで、ブロッサムルームに……」
「ついてきたんだ。そして、そのまま、ここに居座ってる」
サカエくんがお盆に、二人分の桜茶と、ポピー用に何かのボトルをもってきた。
「ポピー、居座ってるって……」
「はい、お世話になってます!」
あまりにも晴れやかなようすのポピーに、少し混乱するわたし。
えっと、チョット整理しよう。
惑星チロルにいたあの時、わたしは、ポピーに川の水をかけられちゃって、地球で言う、宇宙服みたいな存在の桜の粘液の膜が、やぶれてしまったんだ。
惑星チロルには、酸素がないから、地球人のわたしは、息が出来なくなっちゃって、そのまま限界がきて、ふらっと倒れちゃったんだ。
「まさか、水をかぶると息が出来なくなって、地球人の生命活動に異常をきたす状態になるとは知らなくて……! 本当に申し訳ありません。シュリさん!」
ポピーが腰をギュイン、と折って謝ってきたので、わたしはあわてて両手をぶんぶんふる。
「い、いいのいいの! あの時は、夢中だったし。ポピーのことを、なんとか説得できないかなって。それで、頭がいっぱいだったんだ。だから、空回りしちゃって。こっちこそ、ごめんね」
「シュリさん……!」
ポピーの声が、またも泣き出しそうだったので、わたしはまたポピーの頭をよせ、よしよしとなでる。
「ごめんね。勝手にわたしがこんなことになっちゃったんだから、気にしないでね」
「まったく、本当にな」
お盆をテーブルに置き、わたしの前に桜茶をさしだしながら、サカエくんが真面目な顔で言う。
「あの時、俺はスクーターを飛びおり、川に向かって走っていったお前に、ようやく追いついたところだった。ポピーに水をかけられても、平気で話を続けているから、てっきり水をさけたのかと思っていたが。膜が破れたまま、しゃべり続けているとは思わなかったな」
「あはは……。ごめんなさい……」
「急いで霧吹きをかけたが、間に合うのかと、肝を冷やしたぞ。俺の花嫁探しのせいで、お前を失うわけには行かないからな」
「サカエくん……!」
サカエくんに、そんな風に言ってもらえるなんて、もう感激すぎる……。
あっ、そうだ!
ポピーに、星型パーツを渡さないとね。