次の日は仕事もなかったので、市内の図書館まで自転車で行った。
暖かな気候で自転車で出掛けるには気持ちのいい日だ。
学生の頃よく通った図書館は私が記憶したままの形で残っていた。赤茶色の三階建ての建物で、一階が児童書、二階が一般書、三階が新聞や雑誌などが置いてある。
今日はシナリオを書くための参考資料を探しに来た。
初めて出たシナリオの宿題をきちんとやりたかった。
結局、私が先生の為に出来ることは、出された宿題をきちんとやることだと思った。だから頑張ろう。
図書館に入ると、当たり前だけど、本の匂いがする。何だか懐かしさを感じる匂い。
二階の一般書コーナーに足を運んだ時、黒パーカーにジーンズ姿の長身の男性が目に留まる。見覚えのある背中だと思い視線を向けていると、男性が振り向いた。
――小早川先生だ。
「あっ!」
思わず声が出た。
私の声に反応するように先生の瞳がこちらを見る。その顔に眼鏡はなかった。
「藍沢さん?」
先生が私の名前を口にしたから、さらに驚いた。昨日、名前を呼ばれた時に一言話しただけで、名前を覚えられているとは思わなかった。
暖かな気候で自転車で出掛けるには気持ちのいい日だ。
学生の頃よく通った図書館は私が記憶したままの形で残っていた。赤茶色の三階建ての建物で、一階が児童書、二階が一般書、三階が新聞や雑誌などが置いてある。
今日はシナリオを書くための参考資料を探しに来た。
初めて出たシナリオの宿題をきちんとやりたかった。
結局、私が先生の為に出来ることは、出された宿題をきちんとやることだと思った。だから頑張ろう。
図書館に入ると、当たり前だけど、本の匂いがする。何だか懐かしさを感じる匂い。
二階の一般書コーナーに足を運んだ時、黒パーカーにジーンズ姿の長身の男性が目に留まる。見覚えのある背中だと思い視線を向けていると、男性が振り向いた。
――小早川先生だ。
「あっ!」
思わず声が出た。
私の声に反応するように先生の瞳がこちらを見る。その顔に眼鏡はなかった。
「藍沢さん?」
先生が私の名前を口にしたから、さらに驚いた。昨日、名前を呼ばれた時に一言話しただけで、名前を覚えられているとは思わなかった。



