「ネット記事にもなったので、皆さんも知っていると思いますが、ドラマが打ち切りになり、脚本家の仕事はなくなりました。でも、僕は引退したわけではありません。脚本家として復帰するつもりです」
先生が毅然とした態度で男性に答えた。
「でも、あんな騒ぎをしといて復帰できますか? 原作者の方も許さないのでは?」
先生が考えるように押し黙り、それから口を開く。
「二十歳で脚本家デビューをしてから、ずっと売れるものを求められ、気づけば、売れることが正義だと思っていました。だから、正義のためなら何をしてもいいんだと思い、原作者が大事にしていたヒロイン像を壊してしまった。原作者の方を傷つけてしまい、心から反省しています。謝罪の手紙も書かせていただきました。当然ですが、返事はもらえませんでした。でも、先日、電話をいただいて、『脚本はもう書かないんですか』と聞かれました。書くことを許してくれますかと聞いたら、『書いて下さい』と言っていただけました。ですから、僕は脚本家を辞めません」
先生の力強い言葉に涙が出そうになった。
「じゃあ、先生の新作が見られるんですね?」
大塚さんが嬉しそうに聞く。
「はい。必ず」
そう宣言した先生に胸が熱くなる。
みんなが先生に拍手をする。それは先生を応援する温かい拍手だった。
「はい。十五分経ちました。先生移動お願いします」
赤井さんの言葉にみんなが笑った。
先生とあまり話せなかったけど、先生の決意が聞けて良かった。
先生が毅然とした態度で男性に答えた。
「でも、あんな騒ぎをしといて復帰できますか? 原作者の方も許さないのでは?」
先生が考えるように押し黙り、それから口を開く。
「二十歳で脚本家デビューをしてから、ずっと売れるものを求められ、気づけば、売れることが正義だと思っていました。だから、正義のためなら何をしてもいいんだと思い、原作者が大事にしていたヒロイン像を壊してしまった。原作者の方を傷つけてしまい、心から反省しています。謝罪の手紙も書かせていただきました。当然ですが、返事はもらえませんでした。でも、先日、電話をいただいて、『脚本はもう書かないんですか』と聞かれました。書くことを許してくれますかと聞いたら、『書いて下さい』と言っていただけました。ですから、僕は脚本家を辞めません」
先生の力強い言葉に涙が出そうになった。
「じゃあ、先生の新作が見られるんですね?」
大塚さんが嬉しそうに聞く。
「はい。必ず」
そう宣言した先生に胸が熱くなる。
みんなが先生に拍手をする。それは先生を応援する温かい拍手だった。
「はい。十五分経ちました。先生移動お願いします」
赤井さんの言葉にみんなが笑った。
先生とあまり話せなかったけど、先生の決意が聞けて良かった。



