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藍沢さんのことが好きだと気づいてから、俺は彼女の顔をまともに見られず、シナリオ講座では、なるべく彼女の方を見ないようにしていた。それから彼女と遭遇しそうな場所は避けるようになった。
今の中途半端な状態の俺が彼女に恋する資格はないと思ったからだ。堂々と彼女に好きだと言える自分になりたい。気づくとそう思うようになっていた。
響子からコンペの話を聞いたのは、そんな時だった。
「外資系の動画配信サービスが企画したシナリオのコンペなのよ。うちの制作会社にも案内が来て」
そう言って響子がタブレットを見せる。
世界中に会員を持つ大手の動画配信サービス『Nextberry』のページが表示されていた。
「ネクベリって、制作費が沢山あるんだって」
響子がキラキラとした目で見てくる。
藍沢さんのことが好きだと気づいてから、俺は彼女の顔をまともに見られず、シナリオ講座では、なるべく彼女の方を見ないようにしていた。それから彼女と遭遇しそうな場所は避けるようになった。
今の中途半端な状態の俺が彼女に恋する資格はないと思ったからだ。堂々と彼女に好きだと言える自分になりたい。気づくとそう思うようになっていた。
響子からコンペの話を聞いたのは、そんな時だった。
「外資系の動画配信サービスが企画したシナリオのコンペなのよ。うちの制作会社にも案内が来て」
そう言って響子がタブレットを見せる。
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「ネクベリって、制作費が沢山あるんだって」
響子がキラキラとした目で見てくる。



