入学当初は楽しかった。
沙菜とバカ言い合いながら通学して、学校生活も充実してた。
ところが今のオレは、どこか投げやりで、家でも、学校でも、バイト先でも、何をしていても満たされた気持ちになれない。
どうしてなんだ…。
何が足りないっていうんだ。
何となく人付き合いが面倒になり、オレは可能な限りバイトに明け暮れるようになった。
女に誘われてもバイトを理由に断ることも増えた。
竜も随分成長したし、そろそろ家に一人の時間が増えても問題ないだろう。
それに、竜には三波家がある…。
弟を羨ましいと思うオレは、子供なんだろうか。
その頃、沙菜が立て続けに男から告白されているという話を聞いた。
沙菜なんかに告白する男の気が知れない。
そう笑い飛ばしたかったのに、できなかった。
オレは知っていたんだ。
高校入学と同時に、沙菜が髪を下ろしたときからわかっていた。
入学式で、沙菜を見て噂するクラスメイト。
沙菜は鈍いから全く気付いていなかったけど、男の視線を集めているのがすぐにわかった。
華奢な沙菜に良く似合う制服。
歩くと揺れる綺麗な長い髪。
オレはわかっていたんだ…。
だから、木田が沙菜に気があると聞いたとき、すぐに協力する気になった。
勝手に動かれたらたまんねー。
沙菜が木田にどんな反応を示すか、見届けなければ気が済まなかった。
沙菜とバカ言い合いながら通学して、学校生活も充実してた。
ところが今のオレは、どこか投げやりで、家でも、学校でも、バイト先でも、何をしていても満たされた気持ちになれない。
どうしてなんだ…。
何が足りないっていうんだ。
何となく人付き合いが面倒になり、オレは可能な限りバイトに明け暮れるようになった。
女に誘われてもバイトを理由に断ることも増えた。
竜も随分成長したし、そろそろ家に一人の時間が増えても問題ないだろう。
それに、竜には三波家がある…。
弟を羨ましいと思うオレは、子供なんだろうか。
その頃、沙菜が立て続けに男から告白されているという話を聞いた。
沙菜なんかに告白する男の気が知れない。
そう笑い飛ばしたかったのに、できなかった。
オレは知っていたんだ。
高校入学と同時に、沙菜が髪を下ろしたときからわかっていた。
入学式で、沙菜を見て噂するクラスメイト。
沙菜は鈍いから全く気付いていなかったけど、男の視線を集めているのがすぐにわかった。
華奢な沙菜に良く似合う制服。
歩くと揺れる綺麗な長い髪。
オレはわかっていたんだ…。
だから、木田が沙菜に気があると聞いたとき、すぐに協力する気になった。
勝手に動かれたらたまんねー。
沙菜が木田にどんな反応を示すか、見届けなければ気が済まなかった。



