幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「な、なに!?」

「それ、謙遜のつもり?」

「それ?」

「だから、俺の趣味が悪いってやつ」

「あ、ごめん、悪口じゃないんだよ」

慌てて弁解した。

「そうじゃなくて…。
って、もしかして、三波さん、自分が可愛いって自覚ないの?」

「はぁ!?」

可愛い自覚!?
あるわきゃない。

「木田君、相当視力悪い?」

「なんだ、三波さんは天然かぁ~」

空を仰ぐ木田君。
どういうこと?

「あのね」

木田君はまっすぐ私を見て言った。

「三波さんは可愛い。小柄で華奢なところとか、笑顔とか。それに…」

すっと木田君の手が伸びてきた。
な、なに…?
その手が私の髪を掬う。

「このサラサラな髪とか」

そして見つめられた。
ってか、ち、近い…。
うろたえていると、木田君はやっと少し離れてくれた。

「本当に気がついてなかったんだね。
三波さんが好みの男子、いっぱいいると思うよ」

「うっそだぁ…」

信じられない。
だって、今までそんなふうに言われたことないもん。

「マジな話。だから、少し自覚して警戒して」

ポン、と頭に手を乗せられた。

「なんか、木田君お父さんって感じ?」

私の言葉にハッとする木田君。

「や、ごめんっ!
なんか、俺何様だよな。偉そうにホントにごめん!」

頭の上の手をパっとどかしてペコペコと木田君は頭を下げた。

「ううん、木田君と話してると気持ちが穏やかになるんだ。ありがとうね」

控えめな好意を持ち続けてくれる木田君に、なんだかお礼が言いたくなった。

「ホントに!?本当だったら本望だな」

木田君のはにかんだ顔。
私の癒しの存在だな。
蓮なんてさっさと忘れて、木田君と付き合えたら楽しいんだろうな…。