幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「実は、入学式で初めて見たときから気になってたんだ。一目惚れってやつかも」

「うっそー!」

いやいや、一目惚れされる容姿じゃないし。
木田君、視力悪いんだろうか…。
そんな私を木田君が不思議そうに見た。

「いや、本当。三波さん、もしかして気付いてないの?」

「な、なに?」

「三波さん狙ってる奴、かなりいるんだよ」

「はぁ!?」

「バレー部の奴らは先に牽制したから大丈夫だけど」

この人は何を言ってるんだろうか。

「その顔、マジで気付いてなかったんだ…」

「木田君の勘違いじゃないの?」

「そりゃないよ。…けど、ま、いっか」

木田君はニコッと笑った。
この笑顔、癒されるなぁ。

「私、そろそろ帰るね」

「明日部活?」

「うん」

「じゃあ、また明日学校で」

「またね」

改札口を通って振り向くと、木田君はニコニコと手を振ってくれた。
私も手を振り替えし、ホームに向かった。
家に着いてしばらくすると、木田君からLINEが届いた。

『今日はマジでありがとう。
俺、暴走してたかも。
迷惑なら遠慮なく言って』

その気遣いに、また心がほっこりした。

『そんなことないよ。
木田君の気遣い、嬉しかった。
また、明日ね』

だから、そう返信した。
蓮のことは、意識的に考えないよう努力した。