幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「靴が壊れた?足は大丈夫?」

「転んだわけじゃないから。本当にごめんね。急いで行くね」

「ゆっくりでいいよ」

「ごめんね…」

「気にしないで」

「じゃあ、後で」

そして電話を切った。
木田君のこと、あまりのショックですっかり忘れてた…。
最低だ…。

「ごめんね!」

待ち合わせは学校最寄の駅のホーム。
電車から飛び降りて、木田君に真っ先に謝った。

「おはよう」

穏やかに挨拶してくれる木田君。

「20分も遅刻…。本当にごめんなさい」

「全然大丈夫だよ。それより、今日の三波さん可愛いね」

木田君の柔らかな笑顔を見て、どうしたことか、止めたはずの涙が溢れてきた。

「…どうしたの!?」

驚く木田君。
バカ!私のバカ!
待たせた挙句、何泣いてるのよ!
だけど涙は止まらない。

「ご…めん…ね、ヒック…」

もう、言葉にもならない。

「何があった?とりあえず、座ろう」

優しく誘導されて、私たちはホームにある椅子に座った。

「うっ…、ごめん…」

顔を覆って泣いた。
木田君は優しく背中を撫でてくれる。

「何があったかわからないけど、もし、俺で良ければ聞くよ。
それで三波さんの気持ちが少しでも軽くなるなら」

言えないよ…。
木田君に、蓮のこと好きだと気付いてしまっただなんて、言えるはずない。