幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「なによ、その目は」

お母さんが私の目線に気付いた。

「お母さん、お世辞よお世辞」

「沙菜もお世辞くらい言えるようになりなさい。じゃないと、男の子にモテないわよ」

「大きなお世話」

今日告白に近いこと言われてるんだもんね。
全くモテないわけじゃないよ。

「蓮君はすごくモテるでしょう?」

今日のお母さんは、いやに蓮に話題振るなぁ。
久しぶりだからかな?
密かに蓮が何て答えるのか興味があった。
だって、学校では来る者拒まずで、すっかり有名人になっていたから。

「そんなことないですよ」

あ、一応うちの親には謙遜するんだ。

「またまた。すっかり格好良くなっちゃったもの。彼女もいるんでしょ?」

お母さんも引き下がらない。

「いませんよ」

「本当に?」

「オレより、沙菜ですよ」

沙菜。
久しぶりに蓮に名を呼ばれた。
また胸が痛い。どうして?

「今日デートだってマジか?」

なんでそこに拘るんだろう。

「別に、蓮には関係ないでしょ」

「お母さんも気になる」

お、お母さん…。

「僕も」

「なんで竜が気になるのよ」

竜までもが参加してきて、思わず笑ってしまった。

「え?だって僕沙菜と結婚したいから」

「「「え!?」」」

サラッと答えた竜の回答に、私たち3人は見事に声をハモらせて驚いた。
私と結婚するって、竜が幼稚園くらいまでは、よく言っていたけど…。
なんだか懐かしい気持ちになった。

「ありがと、竜」

竜は可愛い私の弟。
思わず頭をなでなでしちゃった。

「あ、僕本気だからね。今時年下の夫は人気あるし、沙菜っちとは7つしか離れてないし」

ぷぷっ!
可愛いなぁ、竜は。