幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

家に帰ると、竜がいた。

「沙菜っち、その格好どうしたの?」

目を丸くして私を見る竜。

「今日は学校の友達と遊んできたんだよ」

「学校のって、もしかしてデート?」

「まさか、みんなとだよ」

と言いつつも、さっき木田君に言われたことを思い出して、声が上ずった。

「沙菜っち、顔が紅いよ」

「そんなことないわよ」

「デートだったんだ~」

「違うってば」

「だって服がデート仕様じゃん」

「そんなことないってば」

最近の小学生はオマセだな。
タジタジだよ。

「なになに?沙菜がデートですって?」

お母さんも参加してきた。
ああもう、メンドクサイ!

「今日の夕食なあに?」

無理矢理はぐらかした。

「コロッケよ。竜君も食べていくの」

「あ、そうなんだ。一緒に食べようね」

竜は嬉しそうに頷いた。
よしよし、デートの話題は終わったぞ。

「蓮君も7時にバイト終わるみたいだから、待っててあげましょう」

「あ…、うん。そうだね」

蓮も来るんだ…。

「沙菜っち、一緒に宿題やって」

「いいよ」

竜にせがまれて、付き合うことにした。

ピンポーン。
家のチャイムが鳴った。きっと蓮だ。
そう思ったら動悸がしてきた。
私、ありえないくらい緊張してる…。
竜は「僕が行く」と行って、玄関に飛び出した。

「帰るぞ」

リビングのドアは開けっ放しで、玄関にいる蓮の声が聞こえてきた。

「兄ちゃん、沙菜っち今日デートだったんだぜ~!」

竜の発言にビックリした。
開口一番、何てこと言うのよ!
慌てて玄関に向かった。