幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

男女5人ずつ、合わせて10人の大所帯。
なんでも、バレー部男子は希望者多数で、幹事の木田君を除く4人はくじ引きで選出されたらしい。
中には同じクラスの人もいて、最初こそ、少しぎごちなく距離間があったけど、お台場に着く頃には、すっかり打ち解けていた。

男子も女子も、ここぞとばかりにお洒落してきてる。
私も今日はちょっと頑張った。
別に彼氏がほしいわけじゃないけど、皆でちょっと遠出するんだし、お台場だし。
夏のバーゲンで買ったクリームイエローのワンピースと白いサンダルをおろした。
一目惚れして、お母さんに頼み込んで買ってもらったんだけど、なかなか着る機会がなくて、今日初登場。
ウキウキしちゃった。

男女でワイワイと遊んで騒ぐのはとても楽しかった。
こういうの、いいな~。
私はまだ、特定の人と付き合うとか、やっぱり考えられないや。

夕食前には帰ることになった。
みんなで連絡先も交換した。
この中から、もしかしてカップルが生まれるかも!

帰りの電車でも盛り上がった。
そして、高校最寄り駅でもある急行が停まる駅に着いた。
ここで6人が降りる。
私も各駅に乗り換えるために降りた。

「行こうぜ、木田」

この駅から家に帰るメンバーが木田君に声をかけた。

「俺、三波さん送っていくから」

え?
思わず木田君の顔を見てしまう。

「やるなぁ木田。じゃあ、またな」

そして、ホームには私と木田君と、もう一人高橋君。

「オレ、一番後ろの車両が階段近いから」

高橋君は木田君の肩をポンっと叩くと、歩いて行ってしまった。