幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

その日、昼休憩の時に体育館へ行って、午前の活動が終わったところで、木田君を呼んでみた。

「どうしたの?珍しいね」

私がわざわざ木田君を呼ぶなんて初めてで、驚いている。

「あのね、ちょっといいかな?」

他の部員の目が気になって、体育館の外に出てもらった。

「実はね、ちょっと言い辛いんだけど…」

「なんだろう?三波さんからの話なら、なんでも聞きたいけど」

「あのね、美術部の皆が、バレー部の男の子達とお近づきになりたいんだって」

「ん??」

目が点になる木田君。
まあ、そういう反応で当然だよね。

「夏休み、バレー部と美術部のみんなで遊びに行かない?」

「みんなで?」

「うん。美術部の1年生は私も入れて5人なんだけど、全員フリーで彼氏募集中なんだ」

「三波さんも?」

「なに?」

「三波さんも彼氏募集中?」

そこ、食いつくところかな?
真っ直ぐ見つめられて、なんか緊張してきた。

「ううん、私はそういうのはまだいいかな」

これは正直な気持ちだった。
木田君が少しだけ私に気があるのはわかっていたけど。

「そっか…」

「難しいかな?」

「いや、いいよ。喜んで」

にっこりと笑って快諾してくれた。
しみじみ、いい人だな~。

「俺達も、二言目には『彼女欲しい!』だからね」

「そうなんだ、良かった。ありがとう」

「人数合わせた方がいいかな?」

「どうかな?」

「日にちや場所もあるし、あとでLINEする」

「うん。本当にありがとう。こんな面倒なお願いしちゃってごめんね」

「いいよ。三波さんも行くんだから」

お、おや?

「じゃあ、またね」

何と返していいのかわからず、手を振ってその場を離れた。
美術部の仲間に報告すると大喜び!
LINEや学校で直接会って連絡を取り合い、スケジュールを調整して、部活もないお盆休みにお台場へ行くことになった。