幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

夏休みは部活の日々だった。
文化部だし、上下関係はほとんどないし、和気藹々としているけど、活動はしっかりしている。
夏休み中に、9月の絵画展に出品する作品を完成させるべく、私も皆も頑張っていた。
たまに、同じく部活に来ている木田君とバッタリ会っては、少し話すこともあった。
それを、部活仲間にどうやら見られていたみたい。

「沙菜、バレー部の木田君と仲良いんだね」

「え?」

「何度も一緒のところ見たよ~」

「そうなの!?」

皆がこの話題に食いついた。

「木田君といい、蓮君といい、どうして沙菜の周りにはイケメンが集まるのかなー。
ああ、羨ましい!」

「いや、集まってないし」

それに、蓮とはもうずっと目も合わせてないし。

「付き合ってるの?」

「木田君と?まさか!蓮君とも!?」

「いやいや、付き合ってないってば」

「でも、沙菜ばっかりズルイ!私も素敵男子と夏の思い出が欲しい~!」

「私も!」

「私も~!」

皆が賛同する。
おいおい…。

「ってことで、バレー部と美術部で、どっか遊びに行く企画立てようよ」

「はい?」

なんか、とんでもないことを言い出したぞ。

「それ、いい!」

「沙菜、取り持ってね」

「ええー!!」

「高校初めての夏だよ。男女で夏の思い出作ろうよ~」

「賛成ー!」

「無理無理。木田君とそんな仲良くないし」

「でも、バレー部は男子ばっかり、美術部は女子ばっかり。
きっと、お互い求め合ってるに違いない」

「うん、違いない」

みんな、適当だなぁ。

「いいじゃん、美術部の皆が言ってますって伝えてくれるくらい」

「うんうん。私達のためにお願い!」

「お願い、沙菜様~!」

「皆で私に拝まないでよ…」

美術部は私も入れて1年生は5人。
みんな仲良し。
そんなみんなに拝まれて。

「言うだけ言ってみるだけだよ」

結局私は渋々と引き受けちゃったのでした。

ああ!もう!
この性格、直したいのに直らない!