「私は蓮の性欲解消に付き合う気ないから」
獣を見るような目線を向けられ、オレの中で何かが切れた。
ぐっと掴んで沙菜を電信柱の影に引っ張り、無理矢理キスしてやった。
「んんー!!!」
当然物凄い抵抗にあったけど、力は俺の方がずっと上だ。
押さえ込んで唇を塞いだ。
薄い布から沙菜の感触がリアルに伝わってくる。
反射的に手が沙菜の胸をまさぐった。
「いやっ!!」
顔を背け、叫ぶ沙菜。
オレは唇を離して沙菜を睨みつけた。
「なんだよ、自分だけ綺麗なポーズとってよ。
女だって充分性欲強いじゃねーかよ。
沙菜だって、どうせ彼氏ができたらやるんだろ。
今日だって、その格好、色気づいてるの丸出しじゃねーか」
涙でグチャグチャの沙菜に向かって言い捨てた。
「…最低…」
沙菜は一言呟いて、顔を擦りながら走って行ってしまった。
今度は追いかける気にならなかった。
そんなパワーは出てこなかった。
沙菜がオレをどう思っているのか、今日やっとわかったよ。
もう、幼馴染でもなんでもないんだ。
ただの、やりたい盛りの汚え男子なんだ。
汚らわしく思ってるんだ。
だけど、女だって男を消費しようとするじゃねーか。
それに応じてやることの何が悪いんだよ。
頭の中がぐちゃぐちゃだった。
きっと、もうオレたちは前のように戻れない。
戻れないんだ…。



