幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「あのね、誤解だよ。奪うも何も、付き合ってないから」

何とかこの場を収めたくって弁解してみたんだけど。

「そんなの、関係ないわよ…、うっうっ」

と、ありすちゃんは泣き続ける。

「沙菜ちゃんは蓮のことが好きなんだよ。認めなよ!」

「いや、決め付けられても…。自分のことは自分が良くわかってるし」

「そうやって、自分は別格って思ってるところが厭らしいのよ!」

い、いやらしい!?

「単なる幼馴染なくせに!」

「そうだよ。ただの幼馴染だよ」

それ以上でも、それ以下でもない。

「ああもう!その上から目線がムカツクのよ!」

「………」

もう何言っても無駄かも。
そう思ったら、何も言う気がなくなっちゃった。
ありすちゃん、いい子だと思ってたのに、結局蓮が絡むとこうなっちゃうのかな。
凄く虚しい。

「私、あなたのこと許さないんだから!」

ぐちゃぐちゃの顔でそう言い捨てると、ありすちゃんは走って行ってしまった。
残された私に周囲の注目が集まる。
これは、厄介なことになっちゃったかもしれないな…。