幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「言ってないんだ。ちゃんと伝えないと、ありすちゃん安心できないよ?」

「うるせーな、おまえは保護者か。
ありすは別に土日誘ってこねーし、大丈夫なんだよ」

ううっ、私だってこんなことに口出ししたくないんだけど。

「それは、誘ってもらえるの待ってるんだよ」

「はぁ?なんで沙菜にわかんの?」

「同じ乙女だから?」

ぶっと噴き出す心。

「乙女って、沙菜が?超ウケル」

ゲラゲラ笑われた。
ムカツクやつめ。

「で、結局話ってそれだけ?」

ひとしきり笑って気が済んだのか、憮然としている私に蓮が話しかけてきた。

「それだけって言うか、ちゃんと好きだよね?ありすちゃんのこと」

「はぁ~?なんで沙菜にそんなこと聞かれなきゃなんねーの?」

「ちょっと気になっただけ」

「ふ~ん」

なぜか心はジロジロと私を見る。

「沙菜はどうなんだよ。木田とはうまくやってんのか?」

「なんでいきなり木田君が登場するのよ」

「いや、あいつ沙菜に本気っぽいから」

「まっさかぁ」

と言いつつもギクっとしてしまう。
来月木田君の部活が休みの日に遊ぼうと誘われたから。
まだ返事はしていないけど。

「とにかく、ありすちゃん大事にしてあげて!
しばらく私の自転車で登校するのも止めた方がいいよ」

動揺したのを誤魔化したくて、強い口調でそう言ったんだけど。

「は?」

心の顔がみるみる険しくなっていった。
何か怒らせるようなこと、今言ったのかな?
ここ最近の蓮は、気持ちの浮き沈みが激しくて扱いづらい。