放課後、部活を終えてから蓮のバイト先に寄ることにした。
蓮のバイト先は、うちの最寄り駅のすぐ側にある小さな喫茶店だ。
チェーン店ではなく個人経営で、学生が利用しないようなコーヒー1杯六百円のお店。
店主が同じ町内会の人で、共働きで小学生の弟がいる蓮の家を良く知っていて、色々と融通を利かせてくれる。
だから蓮も、可能な限り人手が必要な土日のアルバイトを引き受けているんだよね。
「こんにちは」
「なんだ、沙菜か」
「おお、沙菜ちゃんか。こんにちは」
お店に入ると、蓮はテーブルを拭いていた。
店主のおじさんは私のことも良く知っている。
「あの、ちょっとだけ心に蓮があるんですけど」
「なんだよ、仕事中だぞ」
「蓮、そう言うな。沙菜ちゃん、ゆっくりしていってな」
「すみません…。すぐ終わりますから」
おじさんにぺこりと頭を下げた。
事前にLINEすれば良かったかも。
「今日何時に終わるの?」
「今日は親父も母ちゃんも遅番だから、7時だよ。竜に飯の準備してやんねーと」
蓮はこう見えて、なかなか良いお兄ちゃんなのだ。
「ちょっと話があるんだけど、夜空いてる?」
「なんだよ」
「ここじゃちょっと、だから後で。忙しい?」
「別に、大丈夫だけど」
「じゃあ、後で行くね。何時がいいかな?」
「んじゃ7時」
「は?心7時までバイトなんでしょ?」
「竜が帰ってるから、夕飯準備手伝えよ」
「ええー!」
「よろしくな」
そう言うと蓮はカウンターの中に入ってしまった。
なんて一方的なヤツなんだ。
「おじさん、お邪魔しました」
とはいえ仕事の邪魔になったらいけないので、仕方なくおじさんに挨拶してお店を出た。
あー、判断間違った。
でも、竜が一人で留守番は寂しいだろうし、仕方ないか。
蓮のバイト先は、うちの最寄り駅のすぐ側にある小さな喫茶店だ。
チェーン店ではなく個人経営で、学生が利用しないようなコーヒー1杯六百円のお店。
店主が同じ町内会の人で、共働きで小学生の弟がいる蓮の家を良く知っていて、色々と融通を利かせてくれる。
だから蓮も、可能な限り人手が必要な土日のアルバイトを引き受けているんだよね。
「こんにちは」
「なんだ、沙菜か」
「おお、沙菜ちゃんか。こんにちは」
お店に入ると、蓮はテーブルを拭いていた。
店主のおじさんは私のことも良く知っている。
「あの、ちょっとだけ心に蓮があるんですけど」
「なんだよ、仕事中だぞ」
「蓮、そう言うな。沙菜ちゃん、ゆっくりしていってな」
「すみません…。すぐ終わりますから」
おじさんにぺこりと頭を下げた。
事前にLINEすれば良かったかも。
「今日何時に終わるの?」
「今日は親父も母ちゃんも遅番だから、7時だよ。竜に飯の準備してやんねーと」
蓮はこう見えて、なかなか良いお兄ちゃんなのだ。
「ちょっと話があるんだけど、夜空いてる?」
「なんだよ」
「ここじゃちょっと、だから後で。忙しい?」
「別に、大丈夫だけど」
「じゃあ、後で行くね。何時がいいかな?」
「んじゃ7時」
「は?心7時までバイトなんでしょ?」
「竜が帰ってるから、夕飯準備手伝えよ」
「ええー!」
「よろしくな」
そう言うと蓮はカウンターの中に入ってしまった。
なんて一方的なヤツなんだ。
「おじさん、お邪魔しました」
とはいえ仕事の邪魔になったらいけないので、仕方なくおじさんに挨拶してお店を出た。
あー、判断間違った。
でも、竜が一人で留守番は寂しいだろうし、仕方ないか。



