幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

ああ、疲れた。
お父さんの詮索を交わしながら夕食を平らげ、英語論理のワークを準備して北河家に行った。
チャイムを鳴らすと、すぐに蓮が出てきた。

「はい。これ」

ノートを差し出す。

「サンキュ。もちろん、解説付けてくれるよな」

「なんでそこまでしなきゃなんないのよ」

「いいから、上がれよ。頼むから、ちょっとだけ教えて」

「はぁ…。ちょっとだけだよ」

そう言って、靴を脱ぐ私。リビングに通される。
そう言えば、北河家に入るのは久しぶりだ。

蓮と竜は、二人のご両親がうちの親に世話を頼んでいるから頻繁にうちに来るけど、私は中学生になった頃から、徐々に足が遠のいた。

「竜は?」

「風呂入ったら速攻寝た」

「おじさんとおばさんは?」

「母ちゃんは11時帰宅だったかな。
親父は今日は遅番だから帰宅は朝じゃねーかな」

「そっか。相変わらず忙しそうだね」

「それはいいんだけどさ」

「ああ、早速解説しようか?」

私はワークを開いた。

「木田はダメか?」

「はぁ~?何?その話ぶり返すの?」

「あいつ、人望厚いし、結構モテるんだぞ」

「ああ、わかる。そういう感じするもん」

なぜか蓮は顔をムッとさせた。

「沙菜にはもったいない程の男だぜ」

「何が言いたいのよ?」

「木田と付き合わないのかよ?」

何言ってんだ、こいつは。

「付き合うも何も、そういう話になってないし」

「今日ずっと一緒だったんだろ?」

「そうだよ。フリーパス買ったんだから、元取らないとね」

「告白されたんじゃねーのかよ」

「は?告白?なんでいきなりそうなるの?」

意味わかんない。

「いきなりって、おまえ馬鹿か?」

「なによ」

「沙菜と木田をくっつけるための会だろうが、今日のは」

「ああ…」

そうか、そういうことになってたんだっけ。

「確かに、木田君は素敵だよね。蓮と違ってすごく優しいし、気遣い上手だし」

正直な感想が口から出た。

「ああ?おまえ喧嘩売ってんの?」

急に不機嫌になる蓮。

「蓮が先に木田君を褒めたんじゃない」

「やっぱ、解説いらねー。ワークだけ貸してくれればいいや」

「あっそ」

それはこっちも好都合。

「明日英語論理あるから、必ず今日中に写してよね」

そう言ったのに無視された。
カッチーーーン!

「じゃ、帰る。お邪魔しました!」

それでも蓮は無言。
私はバタバタと自宅へ帰った。
なんなのあいつ。
いきなりご機嫌斜めになって、わけわかんない。
マジムカツク!!!